特別緑地保全地区の計画決定にあたって

~南部丘陵の自然を見守っていきます~

鉢ヶ峯定例探鳥会の開始と目的

 鉢ヶ峯で定例探鳥会を始めたのは、1993年3月からでした。今年3月で27年経過します。ここで始めた目的の一つには、自然保護があったと思っています。
 1990年に堺市南部丘陵に新たにゴルフ場建設の計画が持ち上がったとき、鉢ヶ峯探鳥会リーダーの清水さんを始め、私たちは「鉢ヶ峯の自然環境とゴルフ場問題を考える会」(現、鉢ヶ峯の自然を守る会)を立ち上げ、4万人を超える市民の署名を集め、反対運動をしました。その結果、堺市はゴルフ場の新設を認めず「ゆとりとふれあいの場構想推進協議会」を設置、ゴルフ場に代わり、2000年4月「緑のミュージアム・ハーベストの丘」を開園しました。
 その後、私たちは(財)日本野鳥の会「甦れ!里山」募金による支援のもと、「鉢ヶ峯里山公園構想」を発表し、堺市にも提案しました。そんなこともあって、2006年に実現したのが「堺自然ふれあいの森」です。

南部丘陵の緑地保全について

 2010年6月、堺市は南部丘陵の緑を保全するため「緑の保全と創出に関する条例」(里山保全条例)を制定。丁度、南部丘陵で新たな残土処分地造成計画が持ち上がっているときでした。この計画は、施主の学校法人の事情でストップしました。
 2012年11月には、定例探鳥会のフィールドも含む160haを、特に保全を優先すべき地区に指定し、そのうち特に開発圧の高い14haを、遅ればせながら今年の2月3日、都市緑地法に基づき都市計画決定されました※(鉢ヶ峯寺特別緑地保全地区:堺市告示第27号)(地図と写真参照)。当地区内では土地の開墾など一定の行為が制限されます。

これからのこと

 しかしながら緑地保全や生物多様性は、法律を作っただけでは実現しません。これからは、行政、土地所有者、市民が協働で取り組むことも重要です。
 老齢ですが死ぬまでバードウォッチング、千の風になってでも当地の自然を見守り続けたいと思っています。皆様には今後ともよろしくお願い致します。

(Turkey)

特別緑地保全地区周辺の眺望 tsukabon_papa
位置図 Turkey

注 この文章は、日本野鳥の会大阪支部の会報「むくどり通信」の記事として当会のTurkeyさんが寄稿した記事に基づいています。

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